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「……さて。そろそろゲームのことを語ろうか」 |
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「あれっ、光吉さんとは雰囲気が違うような……もしかしてまた違う人が降霊したのかしら？」 |
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「『300万本売れるRPG』プロジェクトで超忙しいんだけど、特別にその合間を縫って来てあげたよ。で、今年一番のゲーム？ ぼくが作ったWiiウェア『きみとぼくと立体。』以外になんかあったっけ？」 |
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「えっ、だれ？ むしろそのゲームのことをまったく知らないわ……」 |
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「は？ Wiiはマリオが出たって？ ははは。宮本さんは所詮２Ｄまでの人。３Ｄはもうダメかな」 |
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「んなろー、帰れっ、いますぐに帰れっ！」 |
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「ぎゃーっ」 |
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「くらえっ、清めの塩をくらえっ」
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「いたたた、しみるしみる！ 心にしみる感動作『風のリグレット』のように塩が体にしみわたる！」 |
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「サグメちゃん！ シコメちゃんの粘膜という粘膜にしこたま塩をすりこむなんて、いったいどうしたのよ！」 |
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「飯野よ！ 飯野がきたのよ！」 |
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「飯野……？ あはは、まーたサグメちゃんの“飯野”がはじまった！」
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「昔の言い伝えを馬鹿にしてはいけないよ！ ソフトを供給したハードを全て死滅させ、放言した巨大プロジェクトを全て頓挫させ、褒めたゲームにはもれなく悲劇的運命が待っているという死神・飯野はほんとうに実在するんだよ！」 |
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「まさかそんなばかな話が……ねえシコメちゃん」 |
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「あっ、そんなものに素手でさわられては……」 |
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「おれにさわるなファミ部員っ！ おれのゲームは１０点満点か評価不能のどちらかにしろ！」
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「きゃっ！ こ、これはねキミ、大変なものだよ！」 |
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「アタシに言わせりゃ、巫女なのに社務所でファミ部Tシャツを着てリラックスしている姐さんもそうとう大変なものだけど……とにかくこれでわかったでしょ。ヤツは危険なのよ！」 |
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「このままじゃ、飯野の呪いでうちの神社も潰れてしまうわ！ ないしはパチスロ会社に買収されちゃう！」 |
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「わかってくれたなら、シコメの粘膜という粘膜に塩をすりこむ作業を手伝って！」
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「ううう……セガ陣営に電撃参入するとき、プレイステーションエキスポの『エネミー・ゼロ』プロモビデオ上でプレステのロゴをセガサターンロゴにモーフィングさせるという近代ゲーム史上最大の嫌がらせを完遂した瞬間がこの人の絶頂期だったのね……」 |
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「あの時ほどセガファンとして溜飲が下がったことはなかったけど、それももう昔の話だよ、忘れたほうがいい……さあ、もっと塩を！ シコメの体のあんなところやこんなところにも、もれなく塩を！」 |
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「ぎゃー！ か、体が熱い……お、俺にはまだ……現世でリアルサウンドシリーズ第二弾『霧のオルゴール』を作る仕事が残っているというのに……」 |
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「ゆっくりお休みなさい。ありがとう……そしてさようなら……」 |
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「そ、そして……リアルサウンド第三弾『スパイランチ』を作る仕事もまだのこって……ばたり」 |
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「やりました博士。飯野を……倒しました！」 |
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「うむ……」 |
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「博士どうしたんです、嬉しくないんですか！？」 |
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「あの飯野が最後の一匹とは思えないわ。今後もハード戦争が続くならば、あの飯野のような業界の風雲児が世界のどこかに現われるかもしれない……」 |
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「博士……」 |
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