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ワナというのは一度入ったら出られない仕組みの筒状のもので、これにエサのミミズを入れ、 モグラの通り道に仕掛けるのです。ここで重要なのはワナを仕掛けるポイント。 取り扱い説明書によれば、モグラの通り道には「本線」と「支線」があり、うまく「本線」にワナを配置することが 捕獲の成否に大きく関わると書いてありました。あ、なんか海戦ゲームみたい、それっておもしろそー、ということで 僕は祖父の作戦参謀に志願しました。実は僕も娯楽に飢えてました(卒論書け)。 まずはエサとなるミミズを探します。石をどけ、落ち葉をかき分け、あちこちの土を掘り返し、ミミズをゲットゲット！ あ、これ燃える！ なんか燃えるぞミミズ捕り！ なんか釣りの楽しさに似てる！ ミミズのいそうなポイントのあたりを つけ土を掘る、ミミズもそれを察知して更に土中深く潜ろうとする(意外と速い)、それを追いかけて注意深く掘り進み (シャベルで傷つけるとちぎれてしまうので注意)、ミミズの先端をつまんで穴から引っ張り出す、土から引っ張り出すまで どのくらいの大物かわからないという、このドキドキ感！ さあ、大物ミミズランカーはどっちだ、じいちゃん勝負 (いいから面接の対策たてろ)！ うーん、祖父の取ったミミズのほうが大物ぞろいで、負けました。さすが作戦司令官。襟章の星はダテじゃない。 松方弘樹もメではない、うちのじいさん世界を掘る！ さて、司令官との作戦会議の結果、乙地点(松の木の根元)付近のモグラの通り道にワナを仕掛けることに。 筒にミミズを装填し、土中深くに設置。 「あとは作戦の成功を祈るばかりである。この作戦が成功したあかつきには、諸君(ミミズ)はニ階級特進である！ では、健闘を祈る！」 涙の敬礼で若き勇敢なミミズ二等兵たちを見送ります。 今生の別れの後再び土をかぶせ、敵兵に気取られぬよう巧妙にカムフラージュ。 かくしてミミズ魚雷「回天地竜」は一条の光もさすことの ない土中で耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、 ひたすら敵艦ドリモグのやって来るのを息を殺して待ち続けるのでした。 ああ、なんと勇敢な兵士たちよ、貴様らは日本男子の鏡であったぞ(ミミズは雌雄同体だし、そろそろ目を覚ませ)！ で、で、そんなことをして祖父と遊んでいたら一日が終ってやんの。 卒論は？ 面接対策は？ あ、あんだって？ そんなことよりめしぁーまだかい、あたしゃはらへってしょーがねーだよー、 ってかんじのいきいき老後ライフでした！ しむらー、うしろー！ |