7月1日(土)  ごきげんテレビ編

 そうですね、言うにことかいて「くたくたクーちゃん」はなかったですね。二十三にもなろうかという男いっぴき 髪の毛ちくちく野郎の考える造語ではありませんね。 ぼかぁともすれば荒野を目指しかねないほどのハードボイルド青年なので、 どうせならもっとハードな若者ことばを造るべきでした。
「デスメタルやっぴー♥」とか「デストロイばいびー♥」とか、そんなやつ。


 えー、改めましてデスメタルやっぴー、ヒモロギです。二度と使うもんか。

 さて、そろそろ卒論というものに正面向き合わねばならない時期になったので、ゲームソフトを二本ほど 購入しました。いっけん矛盾しているようですが、これはいわゆる「ゲーム貯め」です。 例えば森のクマさんは、秋も深まると 冬眠に備えて食糧の食いだめをしますよね。そして、冬の間はせまくてくさい穴ぐらの中で何も食べず眠り続けます。 それと同じことで、僕も今めいっぱいゲームを楽しむことにより、その後数ヶ月はゲームなしで卒論に打ち込むこと ができるのです。ははは。ヒモロギ氏は乾いた声で笑った。

 ははは。朗らかに笑いつつもうそうそ。んなわけないです。寝貯めと同様ゲー貯めもムリです。 ただ、そういう理由付けをしないとどうも良心の呵責に耐えかねちゃって。今の時期に卒論もせずゲーム三昧 というのは、良識をわきまえた善人の僕にはキツいです。

 そんなわけでとうとう僕の精神は良心の呵責に耐えかねてダメだコリャ! といかりや化し、 いるはずのない加トちゃんの声が聴こえてしまうようになる始末。そう、世に言うドリフ神経症が発症してしまったのです! 
 頭の中の加トちゃんは、毎晩八時になるとハッピ姿でエンヤコラヤしながら 「顔洗えよ! 卒論やれよ!」と言ってくるのですが、『ギレンの野望』が忙しくて卒論まで手が回らないのでその分 顔を擦りむけるまでゴシゴシ洗います。すると頭の中の加トちゃんは、次の日の晩には「歯みがけよ! 卒論やれよ!」 とくるものですから、『ペルソナ2 罰』に熱中している僕は卒論の分まで歯をワシワシ磨くんです。
ぼく:「卒論のぶんまで顔を洗って歯を磨くからゲームしていいでしょ」
加ト:「ちょっとだけヨ。アンタも好きネ」 —終—


 ぜんぜんオチないや。まあいいや。以上、あたまの中で繰り広げられた多重人格加トちゃんサイコ劇場でした。フィクションです。
 調子に乗って、明日はドリフ神経症case志村(何か失敗をすると 頭の中で「だいじょぶだぁ」という声が響き、なんだか元気づけられる・頭の中で神々しい声が鳴り響くので てっきり神様だと思ったら「とんでもねえ、あたしゃ神様だよ」という答えが返ってきて、その破綻したロジックに混乱し 前後不覚に陥る・頭の中で子供たちの「しむらー、うしろー」という声が響き、 しむらでもないのにどうも後ろが気になっていちいち振り向いてしまうetc.)の症例を紹介、は、えー、しません!

「毒電波が頭に入り込む!」とか「頭の中で神が命令する!」という人はいっぱしのサイコと呼ばれる資格があるのでしょうが、 「頭の中では今しもピンクの照明を浴びる加トちゃんが足を伸ばして!」というのは果たしてサイコとして認定 されうるんでしょうか。これは一体サイコなのか、それともただのバカなのか、 加トちゃんサイコの明日はどっちだ!?(どっちでもいい)