12月31日(日)


 今世紀も今日で最後、二十世紀を総括し新たな世界を展望する、そんな日記で締めたいと思います。

 中原中也いわく、幾時代かがありまして、それでもってその時代時代には茶色い戦争なんかがあったりしたわけなんですが、なかでも二十世紀といえば最も人の死んだ時代です。有史より十九世紀までの戦死者よりも二十世紀中の戦死者のほうが多いというのですから、まさに二十世紀は戦争の世紀、動乱と激動の時代といってよいでしょう。

 しかし、僕ら若人にとってはぬるま湯のような時代でもありました。戦後五十年、なおも世界はいくつもの火種を抱えてうねり続けているものの、日本人である僕らの周囲にはこれといった歴史的事件も起こらず、僕らが生まれてから起きた革命的事件といえば現在進行中のIT革命と、あとはせいぜいティッシュ革命程度のもの。いかんせん退屈な時代でした。足りないといえば、足りない刺激。そんな状況の僕らに対し、自ら進んで火中に入ったわけでもなく、歴史の流れでいやおうなしに辛酸を舐めさせられたに過ぎない戦中派の老骨さんたちは「若い世代の連中は苦労を知らぬ」と大きな顔をします。いいかげん腹がたちます。僕らは好きでぬるま湯につかっているわけではない。むしろあなたたちのひや水こそが、僕らの中で今まさに煮えたぎらんとしているお湯を生ぬるいものとしているのではないのか。
 そういう理由により、来世紀は日本本土を中心に戦争が起こって欲しいと思います。できれば来年の元旦早々に大戦が勃発してほしいです。そうすれば、僕はできそこないの卒論を提出せずにすみます。

 おっと、そういう結論じゃ問題がありますね。ならば血で血を洗う戦争は今世紀で打ち止めということにして、来世紀はおもしろ宇宙大戦争、宇宙人と地球連邦軍所属のひみつロボットが緑の体液でオイルを洗う戦争、というのが勃発すればおもしろくてよいですね。火星に移住もしてみたいです。

 他に二十一世紀への希望はですね、僕は車の車庫入れが絶望的にヘタなので、オート車庫入れ機能つきの車が登場してほしいです。地味なうえに実現可能すぎてすみません。

 えー、あー、正月飾りを作ったり掃除をしたりで忙しいのでもう書くのやめます。推敲もオチもなく、よってたいして面白くもなく、こんな中途半端な日記で今世紀を締めくくるというのも僕らしいやということで、あーもういいや。それじゃみなさん、来世紀までバイバイよ。ホイホイ。