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８時半起床。宿の朝ブロを占有してひとしきりビバビバしたのち、荷物を宿に預けて道後散策｡正岡子規記念館や宝厳寺(一遍上人生誕の地)などを廻りました。昼食にまたもスシをたべ、することもなくなったので松山市内へと戻ります｡松山とかいわれても何処に何があるかわからない松山しろうとなので、そごうの本屋でガイドブックを熟読｡ 四国のタヌキ伝説めぐりをしたかったのですが、そんな特殊的妖怪観光名所を解説しているガイドブックは皆無であり、しようがないので普遍的観光名所である松山城を観光しました。倹約のためロープウェーを使わずにヒーヒー登ったのに、お城マニアでない小生、お城なんぞ観たところでとりたてておもしろくもなく。 城から降りて路面電車に乗ろうとしたところ、お袖大明神のノボリを発見｡恐らくあれがお袖狸というタヌキを祭った神社なのでしょう。妖怪マニアの小生、少しく溜飲を下げます｡ 観るもん観たし、今からフェリーで広島に戻ろうかしらん、などとあいまいな旅プランを考えつつ松山駅に向かう路電に乗っていたところ、広島の沖のほうを震源とするでっかい地震にぶつかってしまいました。これがもう大変！ てんやわんやの珍騒動！ なんですが、 いやそんなわけでもないんですが、あとはなんかこう、つらつら書くのがめんどくさくなったのでこの日の動きを時系列に沿ってまとめてみました。あらよっと。 15:28 地震発生｡松山は震度5強。ヒモロギさんの乗った路面電車は緊急停止｡架線が波打ち、街灯が引き抜かれんばかりに揺れ、ビル内のシャンデリアはまるで生き物のようにのたくりまわっていた、とヒモロギさんは後に興奮ぎみに述懐している。 15:35 運転再開のメドのたたない路面電車から下車。徒歩で松山駅に向かう｡あちこちの建物の壁がはがれ、窓ガラスが散乱し、新聞記者が街の人々に被害状況を聞いてまわる光景を見たヒモロギさんはマッドシティーだマッドシティーだと大こうふん。携帯電話で家に無事を知らせようとするも混雑していてつながらず、またまた大こうふん。大喜びで災害都市マツヤマを闊歩。あまりにまわりの状況と乖離しすぎたニコニコ顔のため、新聞記者にインタビューされることはなかった。 15:40 松山駅に到着｡フェリーはあきらめ、列車で本州に戻ることに｡本日23時発の夜行列車の指定席を確保｡駅は大混乱で、列車は完全にストップ、その様子を各局のテレビカメラが臨時ニュースで流していた。ヒモロギさんはいかにも困ったJR利用客のフリをして(ホントは列車を確保してあるし、夜中には通常ダイヤに戻ると踏んでいたのでこの時点で困る要素は何もなかった)苦渋のおももちで改札口前にたたずむ。各局のニュース中継の背景として露出したはず。 17:00 報道も一段落したので、観光にでかける。せっかくだから見逃したタヌキ伝説名所を観てまわろうと、駅の観光案内所へ。「あのう、ビシャモン坂っていう、ビシャモンダヌキが出没した坂っていうのはどこっすかねえ？」と訊いたところ、案内所のおじいさんは頭を抱えたまましばし動かなくなり、この非常時に何がタヌキだアホかお前は、というようなことを遠回しにヒモロギさんに言ったとか。宿さがしをしようと後ろに並んでいた卒業旅行中らしき女性たちの発した「タヌキって……」という絶句ツッコミが、ヒモロギさんをいかに赤面させたことかみなさん想像できますか。 17:10 けっきょく案内所のおじいさんはタヌキ伝説を何ひとつ知らなかったので、タヌキ名所めぐりはあえなく中止｡することがないので、ひとり自警団ごっこと称して街の被害状況を見回りに出かける。松山の人たちが朝鮮の人たちをリンチしていたりするといけないからね。 18:30 ひとしきり街を巡回。ガラス破損の被害が目立って多い｡篠原ともえと知念里奈のジョイントライブは中止されていた。道後温泉では温泉本館が閉鎖されていた。路電は18時頃になってようやく運転を再開したようだ。朝鮮の人たちが迫害されるようなことはなかったようだ。ほっと胸をなでおろす。 19:00 夕食を食べる｡NHK7時のニュースに映るから観てネ、と家に電話していたので急いで駅へ(ばかですね)｡改札口でやはり途方に暮れるJR利用客を気取っていたところ、後でバンバン映ったのでみんなで爆笑したと電話がかかってきた。うちの茶の間は7時のニュースで大爆笑。 21:00 この時間になっても岡山方面の列車が動かず、夜には地震の影響はなくなっているだろうと楽観視していたヒモロギさんがいよいよあせり始めた頃、ヒモロギさんの乗る「ムーンライト松山」は本日運休とのアナウンス。放送を聞くなりヒモロギさんは猛ダッシュで駅近くのビジネスホテルに駆け込み、その日の宿を確保｡看板には2500円と書いてあったのに3500円。こんにゃろ足元見やがって、と思いつつも口には出さないヒモロギさん。 0:00 駅前のコンビニで買った酒とツマミ(パンやおにぎりのような食料はすべて売り切れで手に入らなかった)をかっくらい、腹をみたして就寝｡
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