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燃えるぜ『プロジェクトX』。 NHK総合で21:15より好評放送中の『プロジェクトX』、本日のプロジェクトは「男たちのH�Uロケット-後編-」ということで、先週から続いたロケット開発をめぐる男たちの血潮たぎる熱き熱きドラマ完結編だったわけなんですが、いやあ、面白かったです｡ 度重なるエンジン開発の失敗、爆発、そして二名の「殉職者」を出しながら、なおも開発は続きます｡エンジン溶接部のわずかな凸部に熱が集まってしまうと具合が悪い、というので技術者たちはヤスリを使い、丁寧にエンジンを磨き上げていきます。んー、いかにもメイドインジャパン。ただでさえグッとくるシーンなのに、ナレーター田口トモロヲ氏独特の語り口調で、 ——工芸品のような、エンジンになった。 と語られた日には背筋がぞくぞくしてきます。工芸品のようなエンジン！ その芸術的エンジンが磨かれていくさまを想像するともうドキドキしてしまってしようがない、その感動ぶりをトモロヲしゃべりで表現するならば、まさに ——ヒモロギは、震えた。 ——ヒモロギは、立ち尽くした。 ——ヒモロギは、目を、見張った。 といったかんじであり、ああ、僕も理系に進んで工芸品のようなエンジンを作りたかったよっ、と大いにくやしがり、手近にあったマクラをふんづかまえてボクボク殴ってみたところで体中にたぎる熱きなにものかを静めることあたわず、あー、僕もプロジェクトなしとげてー！ エックス、エックス！ などと叫んでやおらエックスジャンプで反復横とびをはじめてみたりもするのですが、実はそれが毎週のことだったりするのですが、そもそも反復横とびはプロジェクトでも男のドラマでもなんでもなく、移動方向の反対側にあたる足の踵で移動方向側の踵を蹴りつけ、それによって爆発的推進力を得ることができる(ような気がする)必殺反復横とび技「クラッカー・ヴォレイ・エックス」を開発してたしかな手ごたえを感じてしまうこともやっぱりプロジェクトでも壮絶な闘いのドラマでもなんでもないわけで、つまりそんなことで体の中から湧き上がる熱きなにものかを発散させていた今までの僕は、どうもやっぱりなにかを間違えていたような気がしてならないのです｡ もっと生産的なプロジェクトにたぎる血潮を注ぎ込んでいこう、とこころに誓った次第｡なんですが、しかし僕にはなんにもない。プロジェクトをなしとげうる能力どころか、なしとげるべきプロジェクトがみあたらない。あー、血潮の発散しどころがない、うわあ、ということでついつい再び反復横とびをしそうになってしまう自分を抑制しつつ(深夜はうるさいし)、いまだモラトリアムな自分に恥じいるばかりです。 あつきちしおがどうの、などとのたまう文章が若さゆえに書けるのか、はたまたばかさゆえに書けてしまうものなのかはわかりませんが、今いえるのは「あとから読んだらぜったい恥ずかしいなこの日記」ということくらいなんですが、とにもかくにも今すぐプロジェクトを定めてしまわないことには階下に迷惑がかかります。なにしろ反復横とびの床に響くこと響くこと。 なので、僕のプロジェクトは「妖怪小説を書いて世界唯一の妖怪マガジン『怪』に投稿」に決めました今｡とりあえず内容はさておき妖怪小説を書くのが最近たのしくてしょうがないところだし、とりあえず種子島宇宙開発センターはいつになっても僕の力を必要としてはくれなさそうだし、とりあえず自分の好きなことしかしたくない、そんなかんじでエックスエックス！ おとこヒモロギばっちり厄年、なおもモラトリどまんなか！(まったくもっていばれない)
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