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友人に薦められた『あずまんが大王』をマンガ喫茶で読んだらば、マジおもしれえでやんの。 良識ある日本の正しいインテリゲンチアを以って任ずるわたくしめの記述する文章の語尾として「やんの」というのは果たしてどうなのか。という問題はさておき、マジおもしれーでやんの『あずまんが大王』。そして僕は寡黙でクールに見えるけど実は動物好きな榊さんがごひいきキャラでやんの。 いっそのこと全巻まとめて購入してしまおうかと100万都市仙台のほこるマンガ専門店「キクヤ書房」に急行したまではよいものの、いやまてよ、こういう、表紙にかわいい女子高生であるところのともちゃんとかちよちゃんとかよみちゃんが描かれてるところの萌え萌えテイストばつぐんなこのマンガを、２４歳の男であり、むしろ漢であり、ともすれば一騎当千の豪傑であるところの我輩が、いかような面相で買えばいいのだ、はて面妖な、と不安になり、今まで表紙に女子高生が描かれているマンガといえば『ハイスクール！奇面組』しか買ったことがなかった我輩としては、タワシ髭をワシワシさすりながらレジの前でちゅうちょせざるをえないのであった。 「畜生、なんたることじゃ、この燕人ヒモロギさまともあろうものが『あずまんが大王』にここまでてこずるとは！？ さすが大王！」 「おちつくのだ翼徳よ。そんなに欲しいならば買えばよいではないか」 「兄者！ しかしオレは妄想の中にだけ住まう義兄弟であるところの劉備兄者、アンタとちかったじゃないか！ 『我ら兄弟いかにマニアックといえど、決して“萌え“には手を出すまい。だって、さらにモテなくなるから！』と(萌えん結義)！ しかしオレは、『あずまんが大王』を買ったら萌えてしまいそうだ！ 動物好きな榊さんに萌えてしまいそうだ！」 「聞け、翼徳よ。『舟に刻みて剣を求む』とはよくいったものだな。旧を守るだけならば愚者でもできる。それよりもむしろ時の推移に従い、民草の求めるものを我らもこぞって求める、それこそが徳を備えた為政者としてあるべき姿であり、我らが欲してやまない“仁政“というものではないか？」 「“仁“！？」 「そう、“仁“だ！ 『泣いて馬謖を切る』ことこそが不仁なのだ。今こそ、笑って馬謖を許そうではないか！」 「馬謖を許す？」 「いかにも、馬謖を赦免！」 「ドンマイ馬謖！？」 「ネバギバ馬謖！」 「ワッショイ馬謖！？」 「ワッショイ！」 「ワッショイ！」 期せずして起こる馬謖コール。兄者のおかげで我輩は全てを吹っ切り、万夫不当の殺人マシーンたる冷たい眼光の煌めきをついに取り戻したのである。今こそ鬨(とき)の声 をあげよ！ 我らの“仁“を笑うものどもの死骸を踏み越えて、いざゆかんレジへの旅路！ 我が『あずまんが』購入を邪魔するものは打ち倒せ！ ついでにそこらのオタクどもも叩きのめせ！ 榊さんは我輩だけのものだ、貴様らの想像の中で我が榊さんを汚すこと断じて許さん！ 「聞かば聞け、オタク腰抜け略してオタヌケどもめ！ 我輩は燕人ヒモロギ翼徳、命のいらん者はかかってこい！」 手にした蛇矛をふりかざし、キクヤ書房の「トレーディングカード対戦コーナー(未会計の商品の持ち込みはご遠慮ください)」に向かって大喝！ その場にいた雑兵どもは空をも揺るがす一喝に恐れをなし、悪鬼の如き相貌で仁王立ちしている我輩とあえて戦おうとする者は誰一人としておらなんだ。がっはっは(豪傑笑い)。というか、そもそも我輩はきやつらとのバトルに必要なカードを一枚も持っておらなんだ。デッキを組んでおらなんだ。長さ一丈八尺のうすらでっけー矛しか持っておらなんだ。つまるところ、我輩まったくもって相手にされておらなんだ。 というわけで、トレカ雑兵相手に我輩みごと不戦敗。豪傑が聞いて呆れるわい(ToT) すまねえ兄者……＿(．_．)＿ペコリ 再び自信を喪失し、うっかり顔文字を使用してしまうほどの手イタい矢傷を負ってしまった我輩、手にしていた『あずまんが大王�@〜�B』を元の場所に戻し、代わりに『なげやり�A』(桜玉吉)と『吼えろペン�@』(島本和彦)を購入し、脱兎のごとく戦線離脱。などと、本屋を戦場よばわりする時点で我輩の豪傑ぶりなどタカが知れてるワイ。とはいえ、『あずまんが大王』をめぐる闘いはまだ始まったばかりなんだワイ(豪傑的語尾)。 To be continued... |