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ウーワンワンワン ウージンジンジン ワンと吠えりゃ（ワン！） ツースリー サイレンの音（ウー！） たからかに 地球のうらおもて（ビュン！） ひとっとび ただいま出動（オー！） ヤッターワン 仮面にかくした正義の心 ドロンボーたちをぶっとばせ エンジンブルブル絶好調 足をあげてチンチン 勝利のポーズだ ハイ！（アチョー！ ヒョッ、ヒョッ、ヒョッ、ヒョッ！） という歌詞の歌を、カーステでガンガンかけているのを、お隣のおばさんに、聞かれてしまい、まし、た。 「あら、今帰ってきたの？ お帰りなさい」 平静を装ったおばさんのポーカーフェイスな質問に対し、僕はすっかり狼狽しきってしまい、「あ、あうー」などと『燃える！お兄さん』のごときほうけた対応しかできず、そうして恥ずかしさのあまり僕の視界はかすんでいき、意識はしだいに、フェードアウトして、いきまし、た。 僕は車庫入れがヘタなんです。車庫の周辺を前進したり後退したり、毎回時間をたっぷりかけて車庫の前でウダウダやっているのですが、その際クルマの窓は後方確認のために全開にしてあり、カーステは外にだだ漏れなのでした。あー、もうだめだ、漏れ逝ってくる…… 思わず2ちゃんねる文体になってしまうレベルの深刻な人生放棄危機的状況ではあるんですが、よく考えてみたらついこないだも同じおぱさんに同じ場所かつ同じシチュエーションで「ここはどこの細道じゃ 地獄ヶ原と申します クリカラクリカラ 骨つむぎ 呪う悪魔の影ゆれる」という歌詞のナイスソングフロムマイカーステを(たぶん)聞かれているので、今さらくよくよしてももはや手遅れなのでした。そう考えれば、やった、なんてことないや。 やられてもやられてもなんともないナーイ おれたちゃ天才だ ヘイヘヘーイ スッタモンダ コッタモンダ ヤッタモンダ 頼まれもしないのにまた、くだらない出来事をくだらない筆致でもってくだらない文章に仕立ててしまった。レポートがたまりにたまって大忙しのこの時期に、僕はほんとうにばかだ。ばかとはいっても大橋巨泉ほどにはばかではないが、比較対象を巨泉まで下げないと優越感を感じないというところまで落ちぶれてしまった僕は、やはりそうとうなばかであるといわざるをえないのではないだろうか。いやしかし、巨泉はほんとうにばかだ。 |