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先日、仙台国際センターというところで就職試験を受けてきたのですが、休憩時間に考え事をしながらトイレに入ったところ、なぜだか小用の便器が見当たらないんです。左右どちらを見渡しても個室の便器しかないので、ははあ、ここは国際センターというほどだから、トイレも少しおもむきが異なっておったりするのだな、きっとこのトイレの構造も国際化と何か関係があるに違いない、さしずめトイレのグローバリゼーションといったところか、などとしばし腕組みをしながら感慨深げに次世代のインターナショナルトイレを概観していたところ、トイレの外のほうで「おい、今女子トイレに入っていったのって……男？」みたいな声が聞こえてきたので、そこで初めて過ちに気づき慄然としました。 しかし待てよ、すぐにこの場を立ち去りたいのはやまやまだが、今ノコノコと出て行ったら外にいる人に変態チカンちゃん扱いされそうでイヤだし、かといってここでじっとしていたところで、そのうち女性が入ってきたりなんかして、腕組みをして突っ立っている僕と鉢合わせしたりなんかして、それでもって絹を裂くような悲鳴をあげられたりしたらもっとイヤだぞ、といったかんじで身動きが取れなくなるという「前門の虎、後門の狼」を身をもって体現していたところ、いやあ、神様っているものなんですね。天文学的確率でもって、僕と同じあやまちを犯してばかな男がもう一人、トコトコと女子トイレに入ってきたんです。 男：「……あっ、ここは女子トイレだ！」 僕：「そうなんですよ。ここは女子トイレなんです！」 その男からしてみれば、女子トイレで腕組みしながら待ち構えていて「ここは女子トイレなんです！」などと啓示する僕という存在が摩訶不思議な神秘的存在に見えたに違いありませんが、とにかく僕にとっては天文学的渡りに船。二人して顔を見合わせ決まり悪げにニヤニヤ笑いながら女子トイレから退出し、突き刺さる視線を二人で分かち合いました。外にいたカップルにうしろ指を指されもしましたが、警備員に取り押さえられたりする事態にまでは至らず大団円。 しかし偶然は続くもので、僕の後で女子トイレに入ってきた男は試験会場において僕の隣の席なのでした。なんなんだ、なんで受験者が500人もいるのに、男子トイレと女子トイレを間違えるような脆弱なおつむ同士が仲良く並んで座らなきゃならないんだ、しかもなんだ、なんで隣の男は僕ににやにや笑いかけてくるんだ、いくら一緒にピンチを切り抜けた間柄とはいえ、なんなんだその親しげな笑顔は、といったかんじで、なんというか、試験が始まってもあまり答案に集中できませんでした。なんてこった、タハー、女子トイレはもうコリゴリダー！(両手を挙げてカメラ方向に走り出したヒモロギ、ジャンプして『コリゴリダー！』と叫んだところで画面静止、ボンヨヨヨ〜ン等のゆかいな効果音を挿入したところでエンディング) あ、15万アクセスありがとうございます。ほんとうにありがとうございます。それと、15万アクセスの記念日なのに女子トイレ痴漢疑惑の話なんかで申し訳ありません。ほんとうに申し訳ありません。 |