7月31日(水)

 最近は夕方までプールのバイト、それが終われば『かまいたちの夜2』をプレイ、といった単調な生活が続いているので、べつだん書くこともないなあ。書いてはみますが。


 昨日調子に乗って子供たちとプールではしゃぎすぎ、うっかり背中一面を日焼けしてしまいました。今日になって肩のあたりがジリジリと、狂おしいほど痛いんです。
 加えてプールサイドは照りつける太陽の熱によって即席ホットプレートと化しており、両足の裏は常に火傷の状態です。肩はシャツに擦れてヒリヒリ、足の裏はホットプレートの上でヒリヒリ、熱さと痛さのサンドイッチです。せめてシャツ擦れを少しでも避けようと両手をダラリとたらし、焼けただれた両足をひきずるがごとくゆっくりゆっくり歩くその姿はあたかもエヴァンゲリオン初号機のごとく。お、これはたいそう情けない姿ではあるが、もしや仇名改変のチャンスかも。

 今までの、僕のイケてるロックな髪型に由来する「ハリネズミ」や「針坊主」、「トゲトゲくん」「トンガリくん」といった、まるでかっこよくない現行のダメ仇名が、この特徴的歩行様態にインスピレーションを受けた子供たちによって「EVA」や「NERV」、「ロンギヌスくん」「死海文書くん」といった、90年代サブカル感バリバリのなつかしおしゃれ仇名に改変される可能性だってありうるわけなんですから、ようし、そういうことなら、どうれ、いくぞ、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ、とばかりこれみよがしにウダウダウロウロ猫背歩行でエヴァンゲリっておったのですが、

「あっ、監視員のせんせいがなんか弱ってるみたい」
「きっと、頭にウニが載っているような人だから、暑さでまいっているんだ」
「じゃあ、水をかければウニもきっと元気になるね」
「ようし、みんな、ウニに水をかけろー」

 といった『キン肉マン』みたいな滅茶苦茶な論法でもって、ウニなどというまるでかっこよくない海産物の名前を新たに冠されたうえビショ濡れにされ、まったくもってエヴァンゲり甲斐がありませんでした。なんなんだ、今日一緒に監視をしていた18歳の青年は「ジャッカル」とか呼ばれていてなんだかやけにかっこいいのに、なんで僕はウニなんだ。なんで僕は海の幸なんだ。なんであんな、肛門が上にあって口が下にあるニコチャン大王みたいな生き物に喩えられなければならないんだ。

 といったかんじで文句をつけ、せめてもう少しかっこいい仇名で呼んでほしいと頼んだところ、一人の小学生がしばし考えこんだた末、ハタと手を打ちこう言いました。


「じゃあ、『アリクイ』は?」

 きみの中ではかっこいいのか。アリクイは。