5月15日(木)

「しょうがない、犬を殺すしかないな」
「じゃあ、毒ダンゴでも食わせる?」
「うーん、手裏剣でぶっ殺してもいいんだけど、うまく当たんないからなあ。やっぱりここは吹き矢でサクッと殺っちゃおう」

 という会話が兄弟間で日常的に交わされているんですが、これはなにも先月購入したもののあまりにやんちゃすぎて手に余してしまっている子犬の始末方法について協議しているわけではなく、隠密忍者暗殺鮮血ゲーム『天誅参』の攻略法について真剣に討議しているものなんですよ。子犬はかわいいのでむやみに殺したりとかしませんよ。

 弟が愛らしい子犬を抱きかかえ撫でさすっているその横で、僕は殺人忍者を操作して越後屋の門を警護する番犬を斬り殺します。そしてテレビモニタの前の二人と一匹は犬の死骸から鮮血がほとばしっているさまを見つめ「ギャハーッ」とサンデーのマンガの如き歓声をあげているわけです。うーん、このへんはさすがバーチャル世代のなせるわざ。ははは、ゲームと現実を混同なんかするわけないじゃん! 現実のワンちゃんとかって超かわいいじゃん!


 そういえば、身体障害者に対する配慮うんぬんなどというホゲタラな理由のために現在放送禁止になってしまっている(らしい)手塚治虫原作の『どろろ』がゲーム化されるそうで。さすがセガ、『アトム』生誕年なのにあえて『どろろ』とは! 着眼点がすばらしすぎて、なんだか逆に心配にさえなってきます。まずもって売れないと思います。

 原作、およびアニメの中では魔物に奪われた百鬼丸の体のパーツ48種の内訳は不明のままであったと思うのですが、今回のゲーム化で初めて明らかになるかもしれません。48もあるのだから、なかには盲腸とか鼻毛とか土踏まずとかヒョウタンツギとか、必死のおもいで妖怪から取り返したところでぜんぜん嬉しくないパーツもあったりするんでしょうね。ちなみに僕はさいきん胸に毛が生えてきたのがいちじるしくショックなので、胸毛だけ妖怪にもらってほしいです。あと、剃るのがめんどうなのでヒゲもいらないなあ。さらにいえば、すね毛だってそんなにいらないので、妖怪に奪われてしまうこともやぶさかではありません!

 といったかんじで、あろうことか妖怪をメンズエステあつかいしてしまうという、そういう面白いオチでしたね。はは、こいつぁゆかいだよ。