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そんなこんなで岩手の山奥にある湯治場に投宿しております。 いやしかしなんというか、いい具合に情緒のある温泉ですここは。 昔ながらの帳場、ぎしぎしと軋む廊下、いつしか聞こえる川のせせらぎ、駐車場には金精さま、露天風呂には老婆がねそべり、深夜の風呂は貸し切り状態という、まったくもって素晴らしい環境。この年でこういう環境を素晴らしがるのもどうかと思うんですが、そんなこといったって素晴らしいのだからしようがないですねこれは。湯治場だいすき！ 難点をいえば、あまりに山奥すぎて携帯電話もエアーH゛も使用不可能だったり、部屋の仕切りがフスマ一枚のため向かい部屋の善男善女のナイトライフが筒抜けであったり、僕に調理スキルがないため日々の食事はヒガシマルの「ちょっと雑炊」ばかり、しかしこれはもはや「ちょっと雑炊」どころか「かなり雑炊」とか「そうとう雑炊」といったレベルであり、この先待っているであろう「死ぬほど雑炊」や「ザ・ハードデイズ雑炊」といった雑炊地獄到来に慄然としたりと、それなりに苦労もあることはあります。あー、ネットにつなげないというのが一番イタいなあ。 等々、浮世離れした生活を送っています。もし僕の投宿している温泉の近くまで来られる方がおりましたら、ぜひ寄っていかれてください。その際お土産として米やショーユを持参などしていただければおおいに歓待しますよ（まるでサンカのようだ）。 |