|
二ヶ月前までは全く料理を作れなかった僕ですが、今回初めて一人暮らしをすることによって簡単なおかずくらいは作れるようになりました。今日なんかは鶏の照り焼きを作りましたもんね。せっかくの鶏肉を東京大空襲くらい真っ黒に焦がしてしまって、皮も真っ黒、照り焼きというよりも黒光り焼きといったかんじの創作料理とあいなったわけなんですが、とりあえず食べ物の味はしました。ギリギリで。ついでにネギ焼きとホウレンソウのおひたしも作ったりなんかして、和風だなあ。川のせせらぎが心地よいなあ。食べ終わったら温泉に入って、風呂からあがったら冷しておいたグレープフルーツでも食べようかなあ。しゃくしゃく。 などと、いたって悠悠自適の生活なんです。先に挙げた食材のうちネギやグレープフルーツは他の湯治客からの貰い物だったりして、食費もたいしてかかりませんし。ちなみに今日は湯治のおっさんからカツオブシとバターを貰い、別の宿泊客のおねーさんからはサラダ油を一本貰いました。宿泊客はなぜだか僕を見るとモノをあげずにいられなくなるらしく（ジゴロみたいだ）、僕の部屋には自分で買った分とは別に貰い物のサラダ油が三本、醤油の瓶が二本、自家製梅酒が一本、味噌一パック、マヨネーズ一本、塩一瓶、梅干し三瓶、そうめん一袋、柔軟剤一箱があります。いくらなんでも貰いすぎですよね。僕はハタから見たらミソやショーユをあげずにはいられないほどせっぱつまった貧窮問答歌みたいな顔をしているのでしょうか？ 僕だけ戦時中みたいな、ホタルなんで死んでしまうん的な顔色をしているのでしょうか？ んー、なぜなんだ。 ともあれ、節ちゃんがつやつや肥え太るほどの高い食材獲得率をほこるというのは悪いことではないですよね。あと足りないのは料理の腕とレパートリー。もしなにか僕にでも作れるようなオススメ料理があれば教えてくださいね。あ、参考までに僕の料理レベルを紹介しておくと、「キャベツと白菜の区別がつかない」「大さじと小さじの分量がわからない」「お湯に味噌をといただけで味噌汁ついに完成だゼーとか言い張る」「じゃがいもの皮をむくと、あちこちヘコんだりデッパったりして海底奇岩城みたいな形になる」といったかんじです。あまりにレベルが低すぎて、知り合いの女性にはたいていサジを投げられちゃいましたよ！ |