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前回の日記でキルビルキルビルさわいでいた僕なので、25日の『KILL BILL』解禁日にはもちろん劇場に足を運びましたよ！ なぜって？ それはもちろん、レイトショーでソニー千葉主演のレトロムービー、『激殺！邪道拳』を観るために！ なぜなんだ！ いいから『KILL BILL』観ろよ！ 『KILL BILL』は後日友人と一緒に観る約束をしていたため、その日は「レイトショー入場者先着50名」がもらえるというキルビル非売グッズ欲しさに弟と二人で場末の映画館に出かけたのですが、いやはや意外でした。『激殺！邪道拳』がこんなにも、こんなにも面白いとは！ この映画、いまや僕のフェイバリットムービー！ 弟子の裏切りによって殺された師匠の敵を討つべく奔走する千葉真一の活躍を描いた本作、なんというか、あまりに失笑ポイントが多すぎて、劇場内は常に笑い声が絶えませんでした。ヘビと組み手を行なう千葉に失笑、敵に捕まった麻薬捜査官が「髪の毛引っ張りマシーン」としか呼びようのない脱力器具で拷問を受けるシーンに失笑、捜査官がなんの脈絡もなく生き別れの兄貴と再会するシーンに失笑、兄貴と捜査官が銃を持った追っ手からパラセーリングで逃げおおせようとするシーンに失笑、案の定兄貴が撃ち落とされるシーンに失笑、「機械のスピードを身につけ」ようとする千葉真一が低周波治療器を改造した「電気ショックマシーン（SMのボンデージみたいなやつ）」でトレーニングをするシーンに大失笑！ あれはどう見てもドリフコントの動きです。あばばばば、おべべべべ、とかいって一人で痙攣してんの。千葉真一が。そして、そのあまりの馬鹿がたたって体に無理な負担がかかり、麻薬をパクパク食べ続けなければならない体になってしまった千葉真一。彼が倒そうとしているのは麻薬組織のボスなのに、口のまわりが白い粉まみれでいいのでしょうか。敵も敵で馬鹿ばっかり、猿拳の使い手四人衆というのもどうかと思ったんですが、彼ら四人のトリッキーな動きに惑わされ防戦一方だった千葉が突如開眼し悟りの表情で発した一言もすごかったです。「猿じゃない……あれは人間だ！」 って、ええっ、その段階で惑っていたのか千葉真一！ これ以上書くとネタバレになってしまい、これから観ようと楽しみにしている人に迷惑をかけてしまうかなあ、と一瞬思ったものの、脳内の客観的論理統合判断をつかさどるツッコミ扁桃体より「んな奴ぁいねー」なる信号が送られてきたので、かまわず続けます。 で、最終決戦。自分の左腕手首と上腕部にヒモを張り、それを弓の代わりにして矢を射る麻薬捜査官は相変わらずただならぬ馬鹿です。敵方の用心棒には舌が無いというのに虫の息となった彼をゆすって「ボスの居場所を教えてくれ！」などと無茶をいう捜査官。だから喋れないんだってば！ そして、そんな用心棒の断末魔を聞いて「俺には彼の話していることがわかった！」とか言い出す千葉真一。どこを見渡しても馬鹿しかいません。あきらかに麻薬の食べすぎ！ そしてようやくボスを倒したと思いきや、死んだはずの師匠が突然現れるという無意味などんでん返し。要するに倒されたボスは仇なんかじゃなかったわけで、なんて壮大な迷惑行為！ ショックと蓄積していた麻薬のダメージのせいで力尽きる千葉！ しかし千葉の馬鹿遺伝子は受け継がれており、ラストシーンでは千葉と懇意にしていた少年が例の電気ショックマシーンを着込んでケイレンしている姿が映し出され、会場は最後の最後まで爆笑の渦。なんなんだこの映画、いろんな意味ですばらしすぎるよ！ 文章だとあの面白さがうまく伝えきれないのが口惜しいですが、その脱力度たるや『直撃！地獄拳』や『地獄』の比ではなく、僕が観た石井輝男作品の中では最もエネルギッシュな映画でありました。『KILL BILL』を観てからこの映画を観た弟は「こっちのほうが面白い」とか言い出す始末で、んー、ミもフタもないなあオーレン石井。そして僕も、こんな中坊映画を上映しているレイトショーでかわいい女子と出遭いたかったよトゥルー・ロマンス。 |