12月28日(日)

 どうもこんにちは。ちーっす。世界のはじっこでボンクラ映画愛をさけんでやまない僕ですヒモロギです。世界中のボンクラ映画ファンが尿意をこらえて待ち焦がれる「死せる魂のシネアワード2003」、いよいよ受賞作を発表です! サノヨイヨイ!


【盆暗監督賞】  クエンティン・タランティーノ(『キル・ビル』)

(選評)『キル・ビル』を観た井筒監督に「あのタランティーノという青二才の顔は二度と見たくない」「アレを面白かったと口走るサブカルチャー系のヤカラと地続きの土地にオレも生きているのかと思うと腰が抜ける」「人間を愚弄するアメリカ製のセルロイド」「タランティーノ君、お前、どこか田舎でガチョウでも飼うとけよ、もう」等々、愚弄の言葉の数々を投げつけられたタランティーノ監督。彼の権威もとうとう地に落ちたのかっ!?
 しかし大丈夫、そもそもこのアワードの主催者が井筒監督のいう「アレに群がって『オレってあのノリわかるんだなぁ』とかうそぶいている、サブカルチャー気取りのアホバカ」なわけだから、彼の受賞もやむなしってやつですね! はーい、サブカル気取りのアホバカでーす! オレってあのノリわかっちまうんだゼー! プッシー・ワゴンは天翔けるゼー!

(受賞者コメント)「Super Cool! この偉大な映画賞にノミネートされただけでもオイラとしては光栄なのに、まさか受賞までしてしまうとは驚きだね。前に来日した時、雑貨屋のBGMで流れていた5.6.7.8'SのCDがどうしても欲しくなって、結局店員の女の子に定価の倍で買わされた甲斐があったよ。この栄誉を、天国にいる友人のフカサワと、『とくダネ』のオグラが呆れ返るくらいオイラがベタ惚れしている日本のfamousなactress、メイコ・カジに真っ先に伝えたいね。Fuck You very much!〔タランティーノ〕」


【盆暗男優賞】  菅原文太(『太陽を盗んだ男』)

(選評)『太陽を盗んだ男』のやりすぎ感ただよう演技が受賞の決め手に。彼の「いくぞ、九番!」という台詞を聞くだけでもこの映画を観る価値アリ。やりすぎ感ハッピーMAX!

(受賞者コメント)「宮城米の試食会場で受賞の第一報を聞いたのですが、ほおばった宮城米を思わず眼前の浅野県知事に吹き出してしまうほどの驚きと感動を覚えました。今でも信じられない気持ちです。ひとえに私を支えてくれた家族と私の活力の源となった宮城米のおかげです。ありがとうございます〔菅原文太〕」


 受賞者コメントを書くのがどうにもつらいので、以後は割愛します。というか、受賞者コメントっていうのはそもそも、僕が考えて書くものではないんじゃないかな。たぶん。


【盆暗女優賞】  リース・ウィザースプーン(『キューティー・ブロンド』)

(選評)ごめん、好みだから。ボンクラ云々関係なく、単に好みで選んでしまいました。


【盆暗UMA映画賞】  『えびボクサー』

(選評)観ずともわかる、プンプン漂いまくりの盆暗刺激臭。この映画以外にいったい何を選べというのか。衝撃のクリーチャーデザインも『ジェヴォーダン』なんぞを圧倒的に凌駕! 続け『いかレスラー』!


【盆暗冒険映画賞】  『桃太郎 海の神兵』

(選評)プロパガンダ映画もここまでいくと気持ちがいい。鬼畜米英(ほんとうに鬼の姿)をたたきのめし、無学文盲なアジアの原住民ども(マントヒヒとかサルの姿)を撫育する桃太郎さま! ばんざーい! ばんざーい!


 選評コメントもだんだん投げやりになってきたところで、ついに「作品賞」の発表とあいなりました。みんなにとってはどの映画が受賞しようがどうでもいいことだろうけれども、実は僕にとってもどうでもいいことであって、じゃあ誰のための映画賞なんだということになるわけなんですが、それはさておき発表です。動き出しちゃったものだからもう止められやしないのさ。


【盆暗作品賞】  『激殺! 邪道拳』

(選評)いやあ、もう競った競った! 『激殺!』か『キル・ビル』か『太陽を盗んだ男』かで審査員大揉め! 審査会場は怒号の嵐、なかにはノミネートし忘れた『ファントム・オブ・パラダイス』を推す勢力まで現れて討議は直撃大空転。今年はどの作品が受賞してもおかしくない傑作ぞろいであったものの、「ボンクラ」という観点から判断すれば、やはり本作が頭ひとつ抜きん出ていたように思われます。だって、自分の左腕上腕と手首にヒモを張って、それを弓がわりにして矢を放つんだよ。ぜったいイカれてるよ! こんな映画、日本のゴミだよ! なんの役にも立たないよ! けれど僕はそんなゴミが大好きだよ! 頼むからどうかみなさん観てください!





 ということで、いかがでしたでしょうか「死せる魂のシネアワード2003」。ふつうの日記以上に手間ヒマかかったわりに、たいして同意も得られないんだろうなあ。あーあ、今日も頭の中では『THE HELL OF IT』がエンドレス。僕はみんなと感動を分かち合いたかっただけなんだよー。