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今日はセンター試験二日目。受験生のみなみなさまが幾百もの黒丸をシート上に塗りまくっているさなか、僕はコタツに入ってWOWOWの『必殺！�W 恨み晴らします』なんかを観ながらカラムーチョを食し、こんな辛くてインカ帝国！？ ヒー！ とかわめいているわけであり、これはやばい、受験生諸君の置かれている極限的状況と比するに、僕はなんて幸せものなんだろう。ヒー！ 「Kit Kat」という菓子がありますね。ネスレジャパン社製の、チョコレートとウエハースの織り成す多層構造の歯ざわりが楽しくもおいしいチョコレート菓子です。2本入りで95円です。高温・多湿を避けて保存してください。高温でやわらかくなったチョコレートは冷えて固まると表面が白くなることがございますがこれは油脂分が分離したもので品質に変化はございません。 そんなキットカットが受験生に大人気、という話を聞きました。なんでも「キットカット」と「きっと勝つぞ」とを掛けているんだそうです。なるほど面白いなあ。しかし「きっと」というのは近い将来行われるであろうことがらを期待・予測することばとして使用されることが多く、英語でいうならI wishとかwillとかのあすなろ系希望的観測系副詞です。「絶対勝つぞ」や「死んでも勝つぞ」といったmust系ド根性系パンチ強い系副詞表現に比べると「勝つ」に対する修辞語としての執着レヴェルの低さは否めないので、「Z-Kat」や「Swing Demon Kat」みたいな名前のチョコ菓子を売り出せばもっと売れんじゃねーかなあ、いちおう商標登録だけでもしておこうかなあ、なんてなことを考えながらカラムーチョと一緒にキットカットも買いました。 しかしキットカットを買ったはいいが、なんと僕にはきっと勝ってみたいと思える対象が存在しないことが判明。敵の不在という現代若者の抱えるテーゼがこんなところで思わず表出。なんてこった、折りしも今まさに、年端もゆかぬ未成年各位が全国各地で刀をペンに持ち替えての大合戦を繰り広げているというのに、僕ときたら敵がいませんだって。情けなや。恥ずかしいよ。なんでこんな『ドラゴンボール』終盤みたいなことに。僕にはチョコレート菓子キットカットを食する資格がない！ まあ、まあね、なくてもいいやそんな資格。実は。正直いって。ということで僕はキットカットを放り投げ、本日の昼ごはんであるどん兵衛にお湯を注ぎ、五分瞑想、泰然自若、しかるのち割り箸を油揚げに突き刺す。国家の狗め、怒りのゲバ棒零距離攻撃をくらえっ。みたいな心もちで。食後に投げ捨てたキットカットを拾い、悠然と食す。 今日ぼくはどん兵衛の油揚げと戦い、きっと勝ったと思う。きっと勝った。 |