3月29日(月)

 というわけで、今日からふっかつしました。すわっ、東の海域上空に見ゆる赤い光はいったいなんぞや!? 鳥だ! 飛行機だ! いや、不死鳥だ! いや、いや、長きにわたる更新停滞から不死鳥のごとく復活をとげた「死せる魂の会」だ! いままさに「死せる魂の会ソリッド」が産声をあげた! 拍手喝さい、あそれ、ちーちーぱっぱ、ちーぱっぱ!

 この一ヶ月、ソリッドでちーぱっぱな僕がなにをしていたかといえば、バイトかなあ。それくらいしかしてなかったかなあ。あ、あとは大学院をぶじ修了しちゃいました。甘栗をむくような安易なノリでもって、うっかり卒業しちゃいました。なおかつ卒業式では文学研究科の総代を務めちゃいました。これはもうね、なんというか、僕が優秀な修士さまであることのあかしといわざるをえません。いやあ、僕ときたら優秀さソリッド。ソリッド修士。そのくせ来月から無職牢人。そのくせ就職活動もせずにバイト。人間ここまで歯車のかみあわない人生を送れるものなのですね。ソリッド。

 さいきんおぼえた遊びは「ひとり百物語」。じぶんで怪談噺を百個でっちあげ、自室でひとりフィクション怪談百話をぶつぶつ語りおえると風もないのに行灯があやしく明滅、ひゅーどろろのSEとともにオバケが登場したところを「この百物語はフィクションであり、実際の人物・事件とは関係がありません」とネタばらしをし、「ちぇー、なんだー」とオバケをがっかりさせてからかおうというあそびです。そういう、考えただけでわくわくしてくるソリッドなあそびなのですが、それに加えてウソ怪談を百個考えるというのが自分の想像力の限界に挑むようで楽しいです。調子のいいときは一日五話くらいのペースでプロットを作れるのですが、始めて一週間くらいでまだ二十話ちょっとしか出来ていないという。その内容もだんだんシュールになってきて、「車を運転していたら真っ向から目玉が一個飛んできて、目が合ったと思った瞬間フロントガラスにぶつかって飛び散った」みたいな、怖いのか怖くないのか自分でははかりかねるような話ばかりになってきてしまいました。やっぱり怖かあないですかねえ。それとも語り口しだいなのでしょうか。
 なかには自分でもこれはさすがに怖くないだろうと思うような話もあって、道を歩いていたら月明かりの下で幽霊と妖怪がプロレスをしていてレフェリー役を強要された、とかそんな話。そんなもんもはや怪談じゃねえですね。もっとソリッドな怪談を作れるよう努力します。

 なんの価値もない話を百話考えるというような、そんな無駄な営為に僕は快感を覚えるのですが、こういった非生産的行動のすえの自己完結というのが、僕の社会進出を阻んでいるような気がしてなりません。なりませんというか、実際そう。まあいいか。ソリッド。