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重陽の節句もなんのその、藤岡弘、探検隊レポートのつづきだよ。みんなよんでね。そしてみんなでよりいっそう藤岡探検隊を愛そうね。 「藤岡弘、探検隊シリーズ第五弾！ アマゾン縦断6000キロ 密林の恐怖イプピアーラ大追跡！ これが半魚人伝説の真実だ！」 その2 ○隊員の状況判断の甘さを露呈する結果となったうろこ事件。その後も入り江付近の探索は続き、探検隊は謎の足跡と食べ残しの魚の死骸を発見。足跡は石膏で手際よく足型を取る。足跡の発見された付近には数台の定点観測カメラを設置。そんななか、カメラ設置のため木の上によじ登る体育会系隊員大和心。とつじょ木の上を指差し隊長が叫ぶ！ 「大和、動くな！」 見れば、なんと巨大なボアが大和隊員の伸ばした手のわずか30センチ先で舌をチロチロ出し入れしているではないか！ にぶい大和に代わっていちはやく隊員の危機に感づくとは、隊長の危機センサー感度、そして隊員に対する愛情の深さはもはや我々の想像の埒外である！ さすが隊長！ 敬礼！ 「動くな大和！ 飛び降りろ！」 どっちなんだかよくわからないような気もする隊長の的確な指示によりなんとかことなきを得たボンクラ隊員大和心。まったく、隊長の研ぎ澄まされた危機センサーがなければ大和隊員などいったい何度死んでいることか！ も一度隊長に敬礼！ 敬礼！ ○入り江で釣りをしていた白鳥隊員が入れ食い状態のピラニアを釣り上げ、針を外そうとしたその瞬間ピラニアの鋭利な牙で指を切られた。故・川口探検隊の名シーンをほうふつとさせるシーンである。そして間髪入れずこのナレーション。 N「獰猛な野生に不意をつかれた！」 さらに！ N「血の匂いを嗅ぎ付け、ピラニアが群れてきた！」 ええーっ！ 傷口で血がぷくーっとふくらんで表面張力状態になっただけなのに！？ しかも地上で出血したのに！？ くそう、どうやらこの入り江のピラニアは恐ろしく嗅覚の鋭い連中らしいゼー！ 探検隊のみなさん気をつけてー！ ○ソナーや水中リモートカメラといった最新鋭機器を活用するも成果を上げることはできず、捜索は一旦打ち切られることに。 「もう二週間たっているからきっと移動したのだよ」 今さらそんなことを言うヴァルキマール氏。そしてそのいいかげんなヴァルキマール氏の提案により、近くに住むインディオ・チクーナ族から情報を収集することに。困ったときのインディオだのみ（ことわざ）。なんと彼らの間では古くより半魚人に関する伝説が語り継がれているという。おお、これはなかなか期待がもてる！ いにしえの伝説の語り部たちよ、どうか探検隊に針路を指し示しておくれ！ ○ああー。なんか村長とかってバルセロナのユニフォーム着てました。よそゆきのお洋服なのかしら。 ○村ではちょうど女性の成人式が執り行われていた（女の子の髪の毛を老婆が手でワシワシ抜き取る脅威の儀式！）。ほんとうにレアな儀式にしょっちゅうぶつかる探検隊であった！ 探検隊が歩けば儀式に当たる（ことわざ）！ 偶然性さえ味方につける探検隊のミラクルパワーに合掌！ そして敬礼！ もはや視聴時は画面に向かって敬礼状態がデフォルト！ ○村で仕入れた有力情報「白いサルのいる入り江にそいつは潜んでいるらしい」を頼りに再びジャングルに分け入るわれらが探検隊！ 有力情報っていうかそれってほんとにただの伝説だし！ 詳細なリサーチや実証を旨としている探検隊も、伝説はまるごと鵜呑み！ このバランスの欠きっぷりが素晴らしい！ ○白いサル「ウアカリ」の生息ポイントの向かう中途の船内、ヴァルキマールがインターネットを通してイプピアーラがモデルとなった古典映画『大アマゾンの半魚人』の紹介を始める。隊長は隊長で「もしかしてイプピアーラは二本足で立ったワニなんじゃないか」などというクールな推論を展開し始める。要するにみんなヒマなんだね、船の中は。 ○ウアカリの出現ポイント付近に到着した一行は三艘のカヌーに分かれて迷路のごとく入り組んだ支流を探索！ カヌーの席じゅんは以下の通り！ 一号船 隊長 渡辺 マルコス 二号船 ヴァルキマール 大和 白鳥 三号船 坂本 田辺 渡辺は隊長の直弟子なので一号船に乗るのは当然としても、なぜサル探索のエキスパートであるヴァルキマールは隊長と同船しなかったのか？ 不審に思った大和と白鳥がヴァルに尋ねる。 ヴァル「隊長は声が大きいからサルが逃げてしまうんだ」 すなおに納得する二人。そして場面が変わり隊長のカヌーの様子が映し出されるや 隊長「なんだあれは！ あれ！」 大声を出して遊泳中のナマケモノを指差す隊長。なんつうか。まあ、ナマケモノのときは大声出しても大丈夫です隊長！ それよりも、毎回毎回バクとかナマケモノとかそういうどうでもいい動物にまで全身全霊をかけて「あれはなんだ！」と指差し疑念を提示し続ける隊長の飽くなき好奇心に敬礼！ まだまだ敬礼！ あいたた、さっきから敬礼しすぎて手がつった！ くそう、右手が使い物にならなくなったってまだ左手があらあ！ うおー！ ○そして本日三回目の危機センサー！ N「大自然の中では文明社会の常識などまったく通用しない。それぞれが、これまでの探検でつちかってきた危機センサーを最大限に働かせなくてはならないのだ！」 わーい！ 多用だ多用だー！ もはや一般名詞あつかいだー！ 広辞苑にいつ載るのー！ ○二番船がウアカリを発見、残る二船は無線で知らせを受けポイントへと急行。「ウアカリの群れのそばにイプピアーラがいる」という根拠ゼロな言い伝えを無条件で信用し、移動する群れの下をコソコソとカヌーで尾行する探検隊。そしてていつしか探検隊は白いサルに導かれるように謎の入り江に到着！ なにこの展開！ なんかもう探検隊の行動そのものが伝説とか神話じみてきてるし！ 「まんが日本昔ばなし」みたいなことになってきてるよ！ 伝説の世界に足を踏み入れつつある探検隊に敬礼……うわーっ、左手までもっ！ ○「もうこんな時間か。戻ろう。アトラス！」 日没後のジャングルでの行動は即、死を意味する！ めざすUMAがすぐ先にいたとしても、功を焦ってはいけないのだ！ またひとつ藤岡探検隊から学んだ僕は、今日はいったんここで筆を置くことを決意！ 両手もツブれちゃったしね。あと一時間分残っているけど、続きはまた後日。アトラス！ |