9月17日(月)

 宮城県に新球団誕生の可能性、というニュースに、僕も初めは好意的な見解。そもそもヤクザばかりの街である広島やチンピラばかりの街である横浜、果てはピーばっかりの大阪といったどうしようもないゴロツキタウンにさえ球団があるというのに、なぜにわが地元仙台にはないのか、これはおかしいのではないのか、ど〜なってるの!? などと常々思っており、僕がプロ野球に好感をもてない一因でもあったのですが、仙台に球団が誕生するとなれば僕にも贔屓のチームが出来るので少しは野球を楽しめそう、やった、すごいぜ、いえーいうれしいな、パッチン、などと、クルリ一回転したのち両手の指を鳴らすといったポール牧さん独特の所作を模倣するなどして喜びを体現していたのですが、しかし、これは僕にとっていいことづくめな話ではないことにふと気づきました。

 聞いたところによると、先日の『探検隊シリーズ』は関西圏では水曜夜の時間帯に放送されなかったそうで、なぜならその時間帯は阪神戦を放送していたから。なんたる暴挙。信じられません。いかに関西にはトラキチ、いや、トラピーが多いとはいえ、半年に一度の探検隊シリーズをさしおいて年がら年じゅうそこらでやってる球ころ遊びなんぞを放送するとは超アルテマ暴挙。地元球団の地域密着ぶりもそこまでくると鬱陶しい以外のなにものでもありません。そしてくだんのニュースに沸き立つ宮城県民の様子をみるにつけ、わが県民もトラピー化しそうで不安です。ものすごく不安なのです。
 カリスマ宮城県民さとう宗幸さんがパーソナリティーをつとめるミヤギテレビの情報番組「OH!バンデス」では、宗さんが始球式をつとめる試合の日は夕方四時から球場よりの中継が番組構成の大半を占め、心霊写真特集(中央の心霊番組と異なりリミッターがないため子供が泣くレベルの本気で怖い心霊写真を紹介したりする)等の魅力的なコーナー枠が圧迫され、東北放送では天気予報士の斉藤さんが球団マスコットキャラクター「ギュ〜たん(仮)」の着ぐるみを着て朝の天気予報を行なう、等の愚挙に出て僕の朝一番のテンションを下げ、あるいは東日本放送の「生イキ!テレビ」、NHKの「てれまさむね」等でもやはり地元デパ地下お買い得情報、あるいは地元農家サル被害対策に苦慮といった僕の観たいニュースが大幅縮小される、等の被害が予想され、なんなんだ、僕にとってはいいことなんかなさそうです。新球団宮城にくるな、出て行けー!

 みたいなことをいま声高に叫ぶと、県民から後ろ指を指され、笹かまで頬を打たれ、七夕の吹流しに逆さ吊りされそうなので言わないんですけどね。なんかそういう、思っているけどオラ言わね、みたいなのが宮城の県民性みたいですよ。