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弟が親知らずの一挙四本抜きにチャレンジすることになり、そのためしばらく入院することになりました。付き添いとして僕も随行したのですが、入院先は去年だか今年出来たばかりの県立こども病院というところ。弟はいちおう成人なのですが、注射がイヤだとか針が刺さると痛いだとかいうわけのわからぬ理由のためこども病院に回される仕儀となったのでした。 で、このこども病院というのが新築なため随所がハイテク、そしてこども向けなため随所がファンシー。魅惑のハイテクファンシーランドなのでした。エントランス入ってすぐの「まほうの広場」には巨大郵便ポスト型遊具が設置してあり、すべり台で遊んだりトンネルをくぐり抜けたりできます。エレベーターはお菓子の家を象った造形で、わきっちょにビスケットとか棒キャンデーがくっついています。ワンフロアに何箇所も点在するプレイルームにはそれぞれ絵本や積み木が完備、その他工作室やこども図書室、インターネットができるコンピューター室まで完備しており、そのうえ売店には遊戯王カードとかおもちゃがいっぱい売っています。ブランコのゆれるプレイガーデン脇にある「お日さまラウンジ」で食べるカレーはたいへんおいしく、しかも半分シャーベット状になったゼリーまでおまけに付いてくる！ イエーイ！ やばいよココ、マジでネバーランドだよ！ 20年前の僕（少年バージョン）が来院したら興奮のあまりもとの病気以上の疾患を併発して心拍数急低下、黄泉路の旅へレッツゴーだよ！ ぶーん！ こども病院のすばらしさに一人でこうふんし、両手を水平に伸ばし手首を内側に反らせる形で垂直に立て、口を真横に開いてキーンとか叫びながら病院の中を駆け回っていたら、慰問に来ていたプロゴルファーの宮里藍さんを見つけさらにこうふんしました。 宮里藍さん見たさに「まほうの広場」のソファーに腰掛け出待ちをする僕と弟どちらも20代。「藍ちゃん見てーなー藍ちゃん」「ファンでもないくせに」「ばか、藍ちゃんのゴルフぶりには兄さん常々感じ入っていたのだ」「どんな」「基本的にホールインワンしかしないところとか」「うそだ」「じゃあ基本的にパー」「びみょうなプロだなあ」「じゃあボギーばっかり」「それもちょっと」「ボギーといえば宮下あきらの『ボギー・ザ・グレート』というマンガ、あれよかったよね。野良犬を焼いて食う刑事が主役なんだよ」「あれはいいよね」みたいな話をしていたらまん前を宮里さんが通り過ぎていったので驚きました。ごくふつうの小柄な女の子でした。そして宮里さんには「なんでこんなむくつけき男が『まほうの広場』にいるのかしら」みたいな目で一瞥していただきました。そりゃまあ、まほうのなせるわざなんですよ宮里さん。だからそんな目で見ないでー。 その後入院している少年少女ぜんいんに宮里さんのサイン入り帽子がプレゼントされるというイキなはからいがあり、うちの二十代弟もちゃっかりその恩恵にあずかりました。宮里さんがさらに有名になったあかつきには皆さんにもこのアイテムを披露する機会があるでしょう。おもにヤフオクとかで。さ、明日もお日さまラウンジでカレー食うぞう！（通う気まんまん） |