10月28日(木)

 どうもご無沙汰、いやほんとお久しぶりですよね。あなたはまだ覚えてくれていますか、このサイトのことを? そしてこの僕のことを? このサイトを運営しているのはそう、オレオレ、いや、オレだってば。オレオレ。うん、そう、そのオレ。懐かしいねえ。いやあ懐かしい。あまりに懐かしすぎすぎるから、今から言う番号の口座に30万円振り込んでくれない? いやだからオレだって。え、いや、だからホラ、懐かしいから、30万。

 などといった、才能皆無な詐欺師の要領でもってこんばんは。オレです。というか僕です。実は僕もご多分にもれず、マドリードあたりの犯罪集団による情熱的なサギの手口だと思っていましたオレオレ詐欺。昼下がり、おばーちゃんが一人で『THEワイド』とか観てくつろいでいると玄関でチャイムが鳴り、開ければマントのマタドール。しかもそのマタドールが「近所の牛追い祭りから逃走した猛牛がお宅に潜んでいるので危険です、すぐ退避して下さい、ヒラリッ、オーレッ!」とか言うの。田舎暮らしのおばーちゃん、暴れ牛のタチの悪さは知っているもんだから、びっくりしちゃって取るものも取りあえず外に出ちゃうわけ。で、気づいたときには時既に遅し、マタドールは裏口から通帳とハンコもろともドロン(最近は手口が巧妙化してきていて、マタドールの代わりに少年院の服を着た少年が「あばれ豚だ!」と叫んでやってくることも)。……みたいなサギの手口だと思いましたよね。絶対みんな語感のファーストインプレッションでこんな妄想を想起したはず!

 久しぶりなので書くべきことがたくさんありすぎ、書きたいアイディア同士が脳内でせめぎ合いを始め、迷いに迷ってなぜかオレオレ詐欺なんていうどうでもいい部類の話をしてしまいました。超人オリンピック予選で実力者のキンターマンたちが互いに殺しあいを始めたせいでほったらかしのスグルだけが最後に生き残っちゃった、みたいなかんじ。ああ、これだ、この比喩力。なんてわかりやすいんだ。これさえあれば僕はあと十年は文章を書き続けられる。というわけで以後最低十年は続きます。のでよろしく。