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今日もしつこくディスカバリーチャンネルの感想を書きます。 「ライオン対トラ」なる番組は個人的にだいぶ疑問の残る決着と相成りました。ライオン学者とトラ学者が「馬場vs猪木どっちが強い」論争をほうふつとさせるような幼稚な口げんかをおこなった後、科学的なデータを基に作成されたバーチャルライオンとバーチャルトラがバーチャルフィールドにおいて雌雄を決する、というバーチャル内容だったのですが、はてさて、バーチャル決戦の勝者はライオンということになりました。えーっ。なにいってんの。どう考えたって強いのはトラでしょー。 単独で狩りを行なうトラよりも集団で狩りをするライオンのほうが、食い扶持の問題上狩猟の回数が多く、したがって戦闘経験も豊富である、という理由で、ライオンはトラよりも強いのだそうです。うーん、それはどうだろう。それっていうのは、日本で最もおいしいパンを作るのは山崎パンのバイトさん、日本一の大文豪は赤川次郎、日本一のプレイボーイは大橋賢三といっているようなものではないでしょうか。狩猟回数の差なんかよりも、たった一匹できっちり獲物を仕留めるトラの総合力をきちんと評価すべきだと思うのだけどなあ。ちなみに体格的に勝っているのはトラのほう。 バーチャルバトルでもあまり合点のいかないシーンがありました。ライオンの首筋に噛みつこうとしたトラはライオンのふさふさタテガミに邪魔されうまく首ねっこをおさえることが出来ず、けっきょくライオンにマウントを返されるという逆転劇。このしょうもないバトル展開には『キン肉マン』臭さえ感じました。 トラ「ゲーッ、こいつ、首筋を噛んでいるのにピンピンしてやがる！」 ライオン「カラカラカラ……貴様のキバなど痛くもかゆくもないわーっ」 トラ「なぜだ……？ オレのキバは完全にヤツの首をとらえているはずなのに！？」 シマウマ「そ……そうか、わかったぞ！」 インパラ「なに、知っているのかシマウマ！？」 シマウマ「あれをよく見ろ！ ライオンの首の周りを！」 野ブタ「おわーっ！ よく見たら、ライオンの首の周りがふさふさしたものにおおわれているではないか！」 インパラ「なるほど、言われてみれば首の周りがたしかに毛だらけだ！」 シマウマ「そう、あれこそがライオン族に伝わる『毛のカーテン』という防御術だ！」 野ブタ「しかし、あんな毛にいったい何ができるというんじゃ。わたしにはただのうす汚い毛のカタマリにしか見えんぞーっ」 シマウマ「ユーはネコジャラシという植物を知っているか？ ネコジャラシを手で揉むと周りの毛がバネの役割を果たし、手から抜け出てしまう。その原理を応用したのがあの『毛のカーテン』なんだ！」 ライオン「カラカラ……さすがはアイドル動物軍の知恵袋と呼ばれるシマウマだ。よもやこのタテガミの秘密が見破られるとはな。だが、せっかくの謎解きももはや手遅れのようだぜーっ」 トラ「グ、グヌー。ヤツの首スジに噛みつこうとすればするほどすり抜けられてしまう！」 インパラ「やめろトラ！ ヤツからいったん離れるんだ！」 ライオン「カラカラカラ……アイドル動物軍の実力はこんなものか！ くらえ、魔技ライオンハート！」 トラ「ぐわあああ！」 アイドル動物軍「トラーーーっ！」 ライオン「カラカラカラーっ」 野ブタ「おのれライオンー、次はわたしが相手だーっ！」 みたいなかんじの間抜けバトルっぷり。トラだってバカじゃないんだから、噛みつく前にたてがみの存在にくらい気づくでしょう。いくらでも他の戦いようがあったはず。 今回は生息地が近いということでベンガルトラvsライオンのカードでしたが、次回はトラ界の切り札、ベンガルトラよりも更に大きな巨躯と厚い毛皮の装甲をほこるシベリアトラの参戦を希望します。彼のキバならばライオンのタテガミなんぞものともしないはず。死せる魂の会公式最強生物はシベリアトラで決まりです。ちなみに公式最弱動物はヤギ。人間から逃げまわっていたヤギが、ビビリすぎたあまり走りながら失神し倒れる、という映像をアニマルプラネットで観ました。こ……こりゃ弱えー！ ところで、残されたアイドル動物軍は草食動物ばかりですね。心配です。主人公きどりの野ブタとかって、悪魔動物ライオンから見ればただの食料だし。悪魔動物サイドから改心して正義動物となったバッファロー、タランチュラ、あるいは正義動物に憧れるあまり動物のフリをしながら正義動物たちの身体検査にオノかついでやってきた新大陸産ヒト科生物らの一刻も早い参戦が望まれます。 |