6月11日(土)

 でもあれですよね、東京ってクサいですよね。なんかもう街中がにおうというか。地下鉄の駅構内なんかはいいようもなくクサいし、今日行ってきた渋谷なんかもクサいクサい。街中に有害物質ヘドリウムを巻き散らかしたかのごとし。おのれヘドラめ。かえせ! 太陽を!

 というか、本日太陽が現れなかったのはヘドラのせいではなく、きっと梅雨とかいう日本特有の気候現象のたまものかと思われますが、それはさておきこの臭い。東京にずっと住んでいる人は平気なんでしょうかね。あとはあれ、駅前とかでよく見るメガネをかけた桃太郎のカンバン。あのカンバンがむしょうにムカつきます。東京にずっと住んでいる人はムカつかないんでしょうか。だってさー、桃太郎がメガネかけてんだよ。メガネっつったらあれですよ、いわゆるひとつの視力矯正器具ですよ。もしもメガネをなくしたら鬼とロクに戦えないばかりか、メガネがないときになにかの拍子でお腰につけたきびだんごを落としたりなんかしたら、桃太郎さんは地面に這いつくばって手探りで「きびだんごきびだんご」とか言いながらぶざまな姿を三匹の家来の前でさらすはめになり、そしてその醜態に愛想をつかした三匹の家来は桃太郎に対する忠誠心を失い、「おい、イヌよ。一緒にきびだんごを探しておくれ」という桃太郎の命令を黙殺しわれ先にとバラまかれたきびだんごをがっつくイヌ、自分の糞便を団子状の大きさに丸めて桃太郎の手元ちかくに置き、「桃太郎さん、もちっと右っすよ、そう、もうちょい手前の、そう、それそれ、やった、さすが桃太郎さん、さっそくガブッといっちゃってくださいよおー」といった調子で桃太郎をからかうサル、そして失望のあまり何も告げずに野生に還ってゆく寡黙なキジ、といったあんばいで桃太郎軍団の統率まったくとれず、そして桃太郎はこころざしなかばにしてサルのうんこに当たって死ぬのでした。よっしゃー、ざまあみろー! とまあ、メガネ桃太郎の不遇の死に喝采をあげてしまうほどにムカつくカンバンです。ここまでムカつく理由は僕にもよくわかりませんけど、きっと前世でなにかあったんでしょう。メガネをかけた桃太郎となにかが。

 他に東京のムカつくものといえば、やはり満員電車ですかね。あれは地獄だ。この世の生き地獄だ! 車中、身動きの取れない僕の頭のなかでは「この世に地獄があろうとはー、娑婆のメス子にゃ解るまいー」といった『網走番外地』の挿入歌が一曲リピート再生状態。i-podでも買って、もっとポップで明るい曲を外部より強制的に出力していきたいところです。あー、i-podほしー。