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行きつけの美容院の、いつも指名していた木村カエラ似のかわいい美容師さんが辞めてしまって人生の楽しみがまたひとつ減りました。もう少し通ったらけっこう仲良くなれてたかもしれなかったのになあ。彼女にもらった自己紹介カードのようなものの趣味の欄に「アニメオタク」とあったので、アニメにさほど詳しくない僕は2ちゃんねるのアニメ板の連中に助言を頼み、電車男と真逆の進化を遂げようかと画策していたところだったのになあ。萌えどこかたのむ。メイド喫茶キター！ 夏コミキター！ ヲタ臭気ついに出たー！ 告白いけー！ みたいな。 そんなプラトニックな失恋が人知れず生まれる背景として、僕が美容師さんに惚れやすい属性であるというのがあります。美容師さんというか、僕の髪を切ろうとする異性に対してすぐ惚れる。だって切るんだよ！？ 女の子が！ 僕の髪を！ これはもう、へたな婚前交渉とかよりもだんぜん甘美で過激なアレだと思いませんか。どんなに親しくてもふつう切らないでしょ。異性の髪なんて。それをあえて切ろうとするこの娘、僕に対して何か浅からぬ想いを秘めているのではないか……なんて考えているうちに、知らず知らず彼女を意識してしまっている僕がいて、むしろ僕のほうが彼女に惹かれてしまって……みたいな心の動きがあるわけです。 美容師の女の子が僕の髪を切るのは、決して彼女の純然たる自由意志によるものではなく、僕が彼女にいくばくかの報酬を渡しているからであるからということはわかっているつもりなんですが、このへんはあれですね。おっさんがキャバ嬢やスナックのママに入れこんでしまうのと同じ心理なのでしょう。というか、あんなこと（注：散髪）されて、世の男はなぜ美容師に萌えないのか、僕はむしろそっちのほうがふしぎだ。だって髪とか切ってくんだぜ。ふつう腹決めて結婚とかするでしょ。 オキニの美容師さんを失ったショックで一時的な記憶障害におちいった僕は「死せる魂の会」のことを断片的にしか思い出せなくなってしまい、失われた記憶を取り戻すためにサイトの「アバウト」を見てみたのですが、なんかもうてきとうなことばっかり書いてあったのでおどろきました。なんか僕、ワニ人間ということになってるじゃないですか。そうだったのか。おれはワニ人間だったのか。たまげた。というかむしろ、たまゲーター。たまげついでにアバウトを改訂し、テーマソングもくっつけててきとうさに拍車をかけてみました。じぶんでいうのもなんですが、あのてきとうさは我ながら素晴らしいです。 |