9月19日(月)

 連休中は弟が遊びに来ていたので、いっしょに東京見物をしていました。

 一番ゆかいだったのは幕張で開催されていた東京ゲームショウ観覧。セガの中さん、光吉さん、広報の竹崎さん、コナミの小島監督、声優の古谷徹さん、「ファミ通」編集長のバカタール加藤さん等々、僕ら兄弟にとっての超有名人、著名人、偉人、成功者、に相当するいわゆる「オレセレブ」を間近に見ることができ兄弟ともども大こうふん、古谷さんに至ってはナマボイスで「僕が一番うまくガンダムを使えるんだ!」なる名言を再現してくれたりなんかして、兄弟ともども刻のうれし涙を流したわけです。

 とはいえ彼らはみな全てステージ上の出演者。見たとはいってもその距離はなお遠い。しかし驚くべきことに、兄弟ゲーム史上最大のオレセレブ、いわゆるモストデンジャラスオレセレブは会場をうろうろと徘徊していたのでした。ほんとTGSってすごいですよね。僕らのゲーム神、高橋名人がなにをするでもなく会場をうろうろしてるんですよ。信じられない。しかもモストデンジャラスオレセレブ(MDOS)であるところの高橋名人がトコトコ歩いてんのに、若いゲーマーさんやレイヤーさんはMDOSの存在に気づいてないのか単に興味がないのか、名人をスルーしまくり。まったく、今の若きゲーマー達にはゲームキャラバン魂が足りないというか、ゲーム史に対する理解が不十分というか。なにより目の前を素通りとは名人に対して失礼じゃないか。

 その無礼千万な態度を目の当たりにし怒りが沸点に達した僕は彼女らの頭部にぴょこんと生えたネコ耳をむんずとつかみ……つかみ……いや、なんかコレけっこうかわいいですよね。萌えるとはいいませんが、うん、これはこれでけっこういいんじゃない? みたいな。なんか無造作に触れるのもおこがましいというか、なんかもうすいません。すいませんでした。ほんとごめんね。
 しょうがないのでこっちをスタスタ歩いている不知火舞のコスプレ女の帯をグイとつかみ……つかみ……いや、なんか色っぽいですよね。きれいな女性がこういうコスプレをするとさすがに映えるというか、失礼しました。これからも頑張ってください。べつにキャラバン魂とかなくてもあなた方は十分きれいだと思います。

 周囲のゲーマーにジェネレーションギャップを感じつつも、僕ら兄弟はドキドキしながら名人を呼びとめ、こちらに敵意がないことを示すため「ファミコン指体操」をしてみせ、握手をしてもらい、写真を撮らせてくれるようお願いし、そしてまた握手をしてもらい別れたのでした。ただひたすらに感無量。かつて尋常ならざる大ブームを叩き出した伝説の右手と僕の右手がジョイントしただなんて夢みたい。MDOSの右手はとても暖かく、そして大きな手であったことでした。もし僕の右手がスイカだったりしたならば、昔の条件反射で一瞬にして木っ端微塵に粉砕されていたかもしれませんが、とりあえずふつうの手だったので事なきをえました。

 あっ、もしかして今のゲーマーはむつかしい連射ゲーをプレイしていないため、手が退化してスイカやマクワウリとかになっているのかもしれない。だから名人に粉砕されるのを恐れてわざと知らんぷりをしていたのだ。そうだったのだ。げにおそろしきはゲーマーの身体退行。いまのゲーマーは脳みそを鍛えるソフトなど買わずに、それよりもむしろシュオッチを買い、日々連射の鍛錬に励むべきです。ゲーマーの手をとり戻せ! ゲーム脳などほうっておけ! きみも今日からファミコン指体操! イチ、ニイ、サーン、イチ、ニイ、サーン。だれだ、汗かいてるヤツ!