最近は寝てもさめても四六時中たぬきのことばかり考えています。たぬきっていいよね。僕も人間なんかじゃなくて、たぬきだったらよかったのになあ。

○こんなとき、たぬきだったらすごくすてきだ！

・朝、会社に向かうとき
「チェッ、今日も電車は満員か。ようし、こうなったら、ドロン、偽汽車に化けて悠々自適のSL通勤だー」
「おい見ろ、総武線快速の線路をSLが走っているぞ！」
「ははは。ゆかいゆかい。たぬきってサイコー！」

・きらいな人にいやなことを言われたとき
「まったくもう、お前ってやつは。ブツブツ……」
「へえ。すみません。お詫びといってはなんですが、このまんじゅうをどうぞ」
「ふん、せっかくだから食ってやろう。むしゃむしゃ。まあまあの味だな」
（おろか者め、お前がまんじゅうだと思っているそれは、実は馬ふんナノダ）
「ふん、まあまあの味だな。もう一個もらってやろう」
（ははは。ゆかいゆかい。たぬきってサイコー！）

・合コンに誘われたはいいが、自分の容姿に自信がないとき
「ドロン、どうもはじめまして、アラン・ドロンです」
「キャー！　ドロンよドロン！　アラン・ドロンだわー。あたしと付き合ってー！」
「ははは、ゆかいゆかい。たぬきってサイコー！」

・もしもピアノが弾けたなら、思いの全てを歌にして、君に伝えたことだろう、だけど僕にはピアノがない、君に聴かせる腕もない時
「トホホ……僕の心はいつも半びらきだよ……アッ、そうだ、だけど僕には腹がある！　たぬきの僕には腹づつみがあるじゃないか。ようし、いくゼー、♪ぽんぽこぽんぽん、チョイナチョイナー、ぽんぽこすっぽん、チョイナチョイナー」
「まあ、アラン・ドロンさんたら、腹づつみで愛を歌うなんて、なんてロマンチック！　あたしと結婚してー！」
「ははは。たぬきってサイコー！♪ぽんぽこぽこぽこ、チョイナチョイナー」


　ね、いいでしょう、たぬきって。

　 もはや僕は、たぬきの素晴らしさに心ときめくこの気持ちを抑えることができません。なので、ネットにおける僕はとうぶんたぬきになります。たぬきとなって、たぬき日記を書いて生きていきます。決めました。

「ヒモロギ刑部」あるいは「ヒモロギ団三郎」名義のハンドルを名乗っているときの僕は基本的にたぬきを気取って調子に乗っているので、そのように接してください。「そのように」と言われてもきっと皆さんは困惑されるかもしれませんが、なにも難しいことなどありません。人間同士が出会ったときに天気の話をするように、

「やあ、今日はいい化け日和ですなあ」とか

「やあ、今日もきんたまが八畳敷ですなあ」

とか言ってくれれば、僕は喜んで腹づつみを打ち鳴らします。そんなかんじでよろしく。

　 さてさて、今日は何に化けようかしら。ブルース・リーに化けて中野ブロードウェイに出かけ、まんだらけでわけのわからんマンガを漁っている中川翔子ちゃんを幻惑するというのはどうか。