東京というのは実に便利なところで、対価さえ支払えば人間の想像力が希求しうるあらゆる形の欲望を充足させてくれます。いかなる欲望も容易にまかなえてしまえる街、東京。それは素晴らしき理想郷のように思えるが、我々はこの街に対してほんの少しだけ身構えている必要があるのかもしれない。安易に満たされ続けたコップの水がいつか溢れてしまわぬように。本当に大切なものまで零し失くしてしまわぬように……

　ということで、何を書きたかったかっつーと、なんか急に『超人キンタマン』を読みたくなったので、中野ブロードウェイのまんだらけに80年代のコロコロコミックを物色しに行ったっつーだけの話なのですけどね。でもって、僕の発作的なキンタマン欲を見事に充足させてくれる東京という街のフトコロのデプスは実にソリッドだゼー、というだけの話なのですけどね。
　 いやはや、新小岩から西荻に引っ越してきて本当によかったなあ。中野ブロードウェイがぐんと近くなって実にべんり。ブロードウェイにはキン消しとかSDガンダムカードダスとかもいっぱい売ってるし、80年代文化の呪縛に囚われそのまま大人になってしまった僕のような精神的不具者にはたまらん場所ですよ！　今度は80年代のボンボンも買おう。うんばらほー！

　まんだらけ店内にて、僕がコロコロコミックのバックナンバーを棚から出したり入れたりかざしたりしていると、フランスのTVクルーがやって来て、隣の棚でガロのバックナンバーを出したり入れたりかざしたりし始めました。そのうち撮影が始まって、レポーターのフランス人が興奮気味に「この雑誌は、シゲル・ミズキやヨシハル・ツゲのMANGAも載っていたジャポンのトラディショナルなMANGA雑誌です。なんつってもガロはトレビアンです！　ガロのバックナンバーがこんなに揃っているMANDARAKEもトレビアンだ！」みたいなことをフランス語でレポートし始めたので、フランスってすげえなと改めて思い知らされました。なんの番組だか知らないけれど、ガロについてあんなに熱く語る番組、今日び日本の民放じゃありえないよ。

　 ちなみに撮影終了後、フランス人レポーターはガロの山を抱えてレジに直行していたので、フランス人のオタクってすげえなあと改めて思い知らされました。さすがバトルフィーバーJの一員として選抜された国なだけはあります。

　 フランス在住の方がおられましたら、ぜひオンエアをチェックし、これが一体どんな番組であったのかお教え頂きたいものです。ちなみに、執拗にガロの話を続けるバトル・フランスの背後でせっせとコロコロコミックを棚から出したり入れたりかざしたりしているバトル・ジャパンは僕です。オー！