墓場から墓場まで、みんな大好きおもしろ怪談専門誌『幽』の次号に載っけて頂けることになりました。おお、それはすごいな。マジすごいな。などと、自分で書いて自分で驚いてしまいましたよ。どんだけなんだ僕。素ですごいな。

　僕の書いた怪談も収録されている『てのひら怪談２』が今冬発刊されるに及び、その宣伝を兼ねての誌上座談会が企画され、たまたまその日ヒマでヒマで、Xbox360の『デッドライジング』でゾンビをバシバシたたっ殺して遊ぶ以外まったく予定が入っていなかった僕のことを担当編集者さんがたいそうあわれみ、ついでに声をかけて頂いたという次第です。いや、というか、一応こないだ怪談大賞を獲ったし、てのひら歴もわりと長いし、そんな理由で呼ばれたんだと思いますが。

　参加者は、前々回ビーケーワン怪談大賞の大賞受賞者である我妻俊樹さんと、毎回ハイレベルな作品で上位をキープし続けるクジラマクさん、そして僕の三人。そして進行役に東雅夫さんという面子。
　 三十分前に待ち合わせ場所に着いてしまったのですが、既にクジラマクさんがいらしていたのでご挨拶。寒さのあまり死にかけの仔犬の如くぷるぷる震える僕に温かいお茶を奢ってくれたクジラマクさんは、エグい作風に似合わぬとてもいい人です。その後、そこらの鳥打師よりも鳥打帽がよく似合う我妻さんとも合流しメディアファクトリーの会議室へ。

　座談会の内容は緊張しすぎてよく覚えていないので割愛。プロのカメラマンさんにいろいろと注文されながら写真を撮られたり、ホラー・ジャパネスクの提唱者にして怪談文芸の牽引者である東さんの前でおのれの拙い怪談観や創作作法を話したりするのだから、これを緊張せずにそつなくこなせというのはスパルタ兵300人を率いてペルシャ帝国100万の大軍を退けてみせよというくらい無茶な話。映画や歴史の話に疎いお友だちのためにガンダムを使ってわかりやすく喩え直すならば、ザク�U改一機で連邦の新型試作MS・NT-1アレックスを破壊せよ、というくらい嘘だと言ってよバーニィな話です。映画にも歴史にも疎くガンオタですらないという困ったお友だちのためにUMAで喩えるならば、釣具屋で買った４８０円のショボいタモを使用して目視不可能な超スピードで飛び回るスカイフィッシュを捕獲せよというくらい（後略）。

　座談会終了後は居酒屋で打ち上げ。いろいろと興味深い話を聞けて面白かったのですが、詳しく書くと障りがあるので割愛。割愛ばかりで恐縮ですが、ともあれ今回は大変貴重な経験をさせて頂き、関係者の方々には感謝することしきりです。座談会ではあまり気の利いた発言が出来なかった代わりに、『てのひら２』の売り上げに少しでも貢献すべく、及ばずながらこのサイトでも折に触れ宣伝していきたいと思います。

　 ということで、します。『てのひら怪談２』買ってね！　bk1で予約すると、今なら特典としてヒモロギさんが丹精込めてご執筆なすった失禁必至アテント必須の書き下ろし恐怖怪談とかがついてくるらしいよ！　って、ああ、そうだった。やばい。まだ書いてなかった。書かないと。書いて下ろさないと。