さいきん日記らしい日記をぜんぜん書いていなかったような気がするので、まじめに書いてみむとてするなり。

　えんえんとプレイし続けている『スパロボＺ』も現在ようやく56話目。さすがにいいかげん飽きてきたので、週末引きこもりプレイの予定を返上して新宿までスーツを買いに出かけました。満賀道雄のようにいつまでも詰襟の学生服を着て通勤するわけにもいかないからね。

　これはというスーツを見定められぬままお店を渡り歩いているうちに、うっかりリキエルのかっこいいジャッケットを所望してしまい、スーツを買うお金がなくなってしまいました。しかたがない。かっこいいは正義。そんな格言もあります。これはもう本当にしかたがないこと。なんとなれば会社には体操着とかで通ってもいいか。いつまでたっても田舎の中坊感覚。

　その後歌舞伎町で『アイアンマン』を観るつもりだったけれど、上映時間のタイミングが合わなかったのでてきとうに時間をつぶしました。歌舞伎町のホテルに続々と吸い込まれていく各店舗の嬢と顧客の即席カップルをつぶさに観察し、客観的に嬢の当たり外れを鑑定しつつ顧客の心情(喜悦・打算的喜悦・敗北感・初回時高揚・複数回指名による平板的感情の五種に大別されることがこのたび判明した)とシンクロするという至極どうでもいい遊びが存外に面白く、結果、次回『アイアンマン』上映も見逃すという失態を演じました。なにやってんだおれ。まあ楽しかったからいいか。あ、やっぱり歌舞伎町はレベルが高いような気がしますよ。みなさんも有事の際には歌舞伎町にゆかれるとよいのではないでしょうか。ホテル前で僕がシートンやファーブル並の観察眼でまじまじと観察しているのさえ気にならなければ、歌舞伎町はあなたをやさしく癒してくれるにちがいありません。

『アイアンマン』はあきらめて、新宿紀伊国屋で『蒼天航路』文庫版を買い揃えるべきかどうかをしばらく逡巡していたら、びっくりするほどかわいいボクっ娘腐女子が友達婦女子とあれこれ言いながらマンガを物色する光景に遭遇し、僕はいたく心打たれました。

「やたらかわいい」「ボクっ娘」「姫カット」「腐女子でありながら『黒執事』を駄作と看破する確かな審美眼」といった、常識的に考えて重ねがけ不可能と思われるようなレア属性・レアスキルを装着したチートな女性がまさか三次元世界に実在しようとは、なんだ、意外に三次元のやつもやるじゃあないか。次元間における美的事象の優劣を争う次元戦争の覇者は二次元以外ありえないと思っていたけれど、なんのなんの、三次元もやれば出来る子じゃあないか。かくも魅力的な三次元女性を目の当たりにすることによって、この日僕の次元観、僕の内面世界のディメンジョン・バランスは大きく位相を変えることになったのであった。それを書きとどめておきたいがために、僕はいまこの日記をこうして書いているのであった。

　 ちなみにその奇蹟的ボクっ娘は大日本帝国軍の軍服が大好きらしく、「もしもここに軍服を着た男の人がいたら、ボクはにゃんまげに飛びつくようにその人に抱きついちゃうよ！」と傍らの友に熱弁をふるっていたので、これから新宿紀伊国屋に行くときはマントを羽織った陸軍憲兵のなりで出かけようと固く心に誓ったのであった。いや惚れた惚れた。本気で惚れたわ。