パソコンを買って、スーツを買って、コートを買って、他にもこまごまとした買い物をして、いやはや今月はずいぶんお金を使ってしまった、ははは、往時の小室哲哉容疑者もかくやといわんばかりの瀟洒な生活だぜ、こんな浪費的な生活を続けていたらコレもんコレもん、と両手を揃えて前に差し出す仕草でおどけていたところ、マンションの契約更新料の支払い請求通知が届き、貯金残額ゲージが基準点を大幅に割り込み、この日から僕の転落人生が始まったのであった。

　というか別に始まりませんけど、非常に困窮の状態にあることは事実であり、これからは生活を引き締めていかなければなりません。食事はとうぜんのごとく自炊です。自炊といえば、そろそろ鍋やポトフのおいしい季節です。いまもポトフを弱火でぐつぐつ煮込んでいるのですが、鍋やポトフはどんなアホが作ってもおいしくなるのでえらいなあ。ついでに、食後のデザートとしてでっかいボール一杯ぶんのいちごゼリーを作って冷やしていたりするものの、このくらいは贅沢には当たらないのではないだろうか。僕は31歳にもなっていちごゼリーが好きなので、週末には自分へのごほうび？　みたいなかんじで、隠れ家的自室で山もりいちごゼリー的スイーツをわしわし食らって自分らしさをアピールしています。ささやかな倹約よりも自分らしい生活のほうが重要だもの。これはもう抜本的にしょうがない。

　 ほかに引き締めるべきは遊興費。僕はもともと友達が少なく恋人もおらず、こんなときは自分の孤独がありがたい。あとは計画的なゲームライフさえ送っていれば支出は最小限。ついさっきゲオで『ラストレムナント』を予約してしまったのは失態であったが、今年はラスレム以外にはあと一本しかゲームを買わないことにしよう。となるとやはり『Fallout3』が鉄板かなと思う今日この頃。しかし『GTA4』も捨てがたく、でもそしたら『Fable2』の立場はどうなんだみたいな話になってくるわけで、あー、そういや『428』も年内発売だったの忘れてたよ、いったいどうすれば……うーん……はっちゃけー、はっちゃけー……みたいなかんじで逆立ちしながら沈思黙考しているうちに、脳血管に血液が滞留しすぎてくるくるパーになり、ウォォォウダラーッ、もうどれか考えるのは面倒くせえぇぇッ！　チクショォォォ−ッ！　などと、あたかも『ジョジョの奇妙な冒険』登場キャラクター中もっとも頭の悪い子である虹村億康が音石明（レッド・ホット・チリ・ペッパー）との心理戦に破れ正常な判断ができなくなったコミックス33巻146頁のあのシーンをほうふつとさせるような台詞を口走ったあげく、けっきょくほしいソフトは全部買うことにしようと思いました。ゲームの五、六本くらい、よく考えたらたいしてどうということもなかった。
　 というか僕はこのまま死ぬまで無分別にゲームを遊び続けていていいのだろうか。もっとまじめに人生というものに対して対峙せぬままでよいのだろうか。僕がゲームをやめるまで背中のドンドン蹴りを段階的に強くして叱咤してくれる人生のパートナーとかいなくて本当に大丈夫なのだろうか。ジョジョネタはわからない人には徹底的にわからないので、あまり濫発しないほうがよいのではないだろうか。晩秋の夕。悩みはつきない。