いやしかし『子連れ狼』は素晴らしいですね。三隅監督版の映画『子連れ狼』シリーズをipodに入れて通勤中やお昼休みや出張中にちまちま観ているのですが、これがもう大傑作。そのうちシネラマ島のほうで一作ずつ感想を書いていこうと思いますが、こんなに面白い映画を今まで見逃していた僕はほんとうにおろかだ。映画がわりと好きな人のはしくれとして恥ずかしいかぎりだよ。穴があったらというか、冥府魔道があったら入りたいよ。

　そして素晴らしいといえばipod touch。こいつのおかげで僕の映画生活は充実の度合いを増しました。僕は片道20分ほど電車に乗って毎日コーポレーションに通勤しているのですが、今までは電車に乗っている時間は映像の見れない旧式ipodで筋肉少女帯あたりを聴きつつ目の前の乗客の容姿から連想される仇名を考えて遊ぶのが関の山で、それはすなわちわが人生において無為であり無駄であり浪費でありました。

　しかし今はエンコードした『子連れ狼』シリーズなどをipodに入れて電車の中で鑑賞。二、三日ぶんの通勤時間で映画を一本観終えることができます。いわば僕は『子連れ狼』をふところに携帯して江戸の町をゆく子連れ狼連れ狼であり、狼の二掛けでウルフ×ウルフでなんかもうすげえかっこいいかんじ。

　 なお、僕＝狼たる論証がなければ僕が子連れ狼を携帯したとて「子連れ狼連れ狼」という構図は成立しえないのではという反論があるかもしれぬが、僕は家に帰るとロボ超人ウォーズマンのフィギュア以外に語らう相手をもたず、「今日はつみれ鍋を作ってみたよ。ほら美味しそうだろうニコライ（ウォーズマンの本名はニコライ・ボルコフであることが近ごろ判明）」などと夜な夜な人形に語りかけながら鍋をつつき、「よく冷まして食べようぜ、コーホー、コーホー」などとニコライをまねた独特の呼吸音を発し一人でおどけながらつみれを冷ましていたりしているため、つまるところ僕レベルの一匹狼は狼界広しといえどもそう多くはいないのではないか、ということを参考までに付け加えておきたい。

　 ということでなんだっけ。そうそう。ipod touchのおかげで、従来映画鑑賞にあてていた自宅での時間を他の有意義な事につかえるようになってすごくいいかんじ。

　 と思ったら意外にそうでもなく、代わりにゲームのプレイ時間が長くなり自由時間を逼迫するだけでした。『ラストレムナント』がまだ中盤だというのに浮気してつい買ってしまった『428』も予想にたがわぬ面白さで、余暇の時間が足りないのなんの。年内には『Fallout3』『Fable2』もプレイする必要があり、年末の良作ゲームラッシュぶりはちょっともういいかげんにしてほしい。映画にゲームにおせちにおこた、年末年始はどんだけ幸せなんだ。べつに彼女とかいない一匹狼ライクなプレイスタイルでもわりかし幸せにやっていける確信を、この冬僕はますます強いものとしたね。